設計事務所で労災保険に加入する

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労災保険(労働者災害補償保険)とは、事業所でアルバイトを含め1名以上の従業員を雇う場合には加入する義務があり、業務中または通勤中に従業員が災害に見舞われたときに国から給付が受けられる制度です。

労災保険は雇用保険とあわせて労働保険と総称されています。雇用保険は従業員も保険料を一部負担しますが、労災保険は雇い主が全額負担するものです。

この記事では、意外と知られていない労災保険のしくみや、設計事務所で加入するときのポイントや注意点についてまとめています。

このような状況・会社におすすめです

  • 設計事務所ではじめて人を雇うときに必要な届出を知りたい
  • 労災保険のしくみや注意点を知りたい
  • 手続きの複雑さや頻度、自力で手続きが可能なのかを知りたい
  • 労災保険料としてどのくらい費用がかかるのかを知りたい

労災保険の概要

労災保険加入についての概要は以下の通りです。

期待される効果手続き負荷軽減
頻度従業員採用時(アルバイト含む)
スケジュール一人目採用時 
その後年度更新は毎年6月1日から7月10日までの間
費用従業員に支払う給与に応じた労災保険料
(業種によって労災保険料率が異なる)
手続き主体者設計事務所の代表、事務担当者

労災保険料の申告は年に一度で、4月~翌3月分をひとつの年度として行います。基本的には事業所が雇用保険料と合わせて納付します。

労災保険加入のポイント

設計事務所で労災保険を手続きする前に、確認しておきたいポイントについて紹介しています。

従業員一人以上の採用で届出が必須

記事の冒頭でも伝えていますが、労災保険は雇用形態に関わらずすべての雇用者が対象となるため、短期のアルバイトを雇う場合にも保険に加入する必要があります。

同じ労働保険である雇用保険は週20時間以上の勤務などの適用条件がありますが、労災保険にはありません。

納付する保険料を確認する

労災保険の保険料は年度単位で計算され、その額はすべての労働者に支払われる賃金の総額に、事業ごとに定められた保険料率を乗じて算定します。年度ごとに概算で保険料を納付し、年度末に賃金総額が確定したあと精算する方法です。

具体的な保険料については、厚生労働省の労働保険料の申告・納付ページで事業主ごとの負担割合や計算例が載っているので参考にしましょう。

また、年度更新の手続きは、毎年6月1日から7月10日までの間に行う必要があります。

給付が適用される条件を知る

労災保険は労働中の災害にから労働者を守るための保険ですが、どういった条件で給付金がもらえるのかは確認しておくと安心です。労災保険の適用される災害には、業務中による業務災害と通勤中による通勤災害の2種類に分類されます。

どのような場所や条件かによって給付の種類も異なります。詳しくは、厚生労働省の労災保険給付の概要ページでご確認いただけます。

代表のみの設計事務所でも特別加入手続きが可能

個人事業主の場合は労働者ではないため労災保険は加入対象外となりますが、一定の要件を満たしていれば、労働保険組合や特別加入団体を通じて労災保険に加入することができます。

設計事務所では建築士による個人事業主として、従業員を雇わずに運営しているところも多く存在していますが、特別加入手続きを行うことで業務中の災害に対する補償がなされるので安心です。

労災保険加入の注意点

労災保険加入前に注意するべきポイントをまとめています。

労災保険の手続きを怠ると、罰金が科せられる可能性がある

労災保険の加入が未手続きの場合、その期間を遡って保険料を徴収される他、追徴金を聴取されるケースもあります。労災保険は一人以上の従業員を雇う場合に加入する義務があるため、手続きを怠ることはリスクとなり得ます。

基本的に未加入は労働基準法違反となり、悪質な場合は厚生労働省により懲役や罰金が課される可能性もあるため注意が必要です。納付する金額はそこまで大きくないため、必要経費として確実に加入手続きをしておきましょう。

保険料の支払いのために、賃金総額を正確に把握しておく必要がある

労働保険料はその事業で関わるすべての労働者に支払った賃金の総額に、事業ごと定められた保険料率・一般拠出金率を乗じて算定します。年度更新の際には賃金総額を正確に把握した上で手続きをする必要があります。

労災保険に関する書籍・関連情報

安全な会社運営のために労災保険には加入しましょう

労災保険は従業員を有するすべての会社で加入が必要な制度です。安心して会社を運営していくためには、労災保険を含めさまざまな制度を知り、手続きしておく必要があります。労災保険は手続きも難しくなく、一度加入すれば翌年からの更新も簡単なので安心です。

設計事務所における労災保険の手続きに関するポイントは以下の通りです。

  • アルバイトを含め従業員一名以上を雇用する設計事務所は労災保険の加入が必須
  • 代表のみの設計事務所でも特別加入手続きで労災保険に加入することができる
  • 労災保険の手続きを怠ると、罰金が科せられる可能性がある

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