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#studygift 騒動1/2:1人の人間に責任を押しつける姿勢が、業界全体の信頼を失わせる

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弊ブログもロリポップさんにはお世話になっていて、家入一真さんには随分前から注目していました。最近では、campfireをはじめとして魅力的なサービスを提供されていて、華々しく新しいサービスがリリースされるweb界隈の出来事が眩しく、ぜひ良い方向に言って欲しいなぁと願っています。

 

さて、studygift ですが、大体記事も出尽くしてそろそろ沈静化してきた頃でしょうから、studygift について飛び交ったやりとりの分析を踏まえた上で、構造的な問題点について僭越ながらいくつか指摘をさせていただきます。既にあらゆるトラップを踏みまくって八方ふさがりの土建業界の人間からみて、失敗から学んだ教訓を踏み台にしていただければ幸いです。

○1人の傑出したバカに責任を押しつけたとき、業界全体の信頼が揺らぐ
study gift に関する騒動は、やまもといちろうブログ「僕秩ヨシナガさん、自身が想いを寄せる女性への寄付を募る目的でStudygiftを立ち上げたということでFA」によって、誰も想定していなかった収束を迎えることになりました。私は、この記事に対してヨシオカさん周辺にウラ取りできる立場にありませんので、記事の妥当性について云々することはここではしません。

やまもとさんのスクープの後、studygift界隈で争っていた方々が、こぞって今回の騒動が起こるべきして起きたわけではなく、『「1人の傑出したバカ」がうまく行きそうだったスキームを破綻させた』ような論調になっていますが、そういった「例外的なバカ」に責任を押しつけて、今回の騒動から何の教訓も得ようとしないという姿勢に違和感を感じます。

建築・不動産業界を大きく揺るがした「構造計算書偽造問題(通称:姉歯事件)」では、設計段階でのチェック機能がはたらかず、施主と建築士の独立性も担保されないという構造的な問題が背景にあったにも関わらず、姉歯氏を「1人の傑出したバカ」として見立て、「バカ」の暴走で不祥事を引き起こしたという構図をもって収束しようとし、多くの建築士は他人事のように振る舞っていました。

姉歯建築士と業務上関係があった人間によれば、(理由はよく分からないが)姉歯に頼めば、建物のコストダウンが実現できる。事件が起こるまで、姉歯氏は「ローコスト設計」の第一人者のような扱いだったと聞きます。事件が発覚するまで、誰も批判できませんでした。・・・偽装が明らかになるまでは。


○姉歯事件は、どのようなダメージをもたらしたのか?

誰か1人に詰め腹を切らせても、業界の構造的な問題が収まるわけではなく、またそんないい加減な説明に業界外の人間は納得しませんでした。結局、国家資格である建築士に対する制限の強化と、建物を建てる際に指定機関に提出する申請(確認申請)の強化に繋がり、計画中の多くのプロジェクトにスケジュール遅延をもたらしました。

我々の業界は政治との結びつきも強い為であることも大きいのですが、構造的な問題点を整理して発表するような気の利いた人間もおらず、業界に身を置く人間の多くが、あれは「特殊な人間」がやったから「私には関係ない」、という責任回避の姿勢をとっていました。結果として、業界に対しては一律での規制強化、業界外からの信頼の失墜、という考え得る最大のダメージを受け入れざるを得ない状況を招きました。

今回の件でも本ブログだけでなく、業界外からの違和感を伴う視点として不動産屋のラノベ読みさんの「佐々木俊尚さんの「Studygift問題についての論考」を不動産業界にたとえてみよう」を紹介させていただきます。姉歯事件の我々の業界のように閉じこもることなく、どうかオープンで前向きな議論を進めていっていただきたい、と願っています。

今回の事件の背景が明らかになるにつれ、あまりにずさんすぎて議論するのもバカらしいとお考えになる方も多いでしょう。しかし、こうした特定の個人の暴走が大々的に報道され、また実際に被害がでると、業界全体を視野に入れた規制の動きが生じてしまい、新しいアイディアやビジネスモデルを封殺するような規制ができるようになってしまいます。

今回の議論を教訓として、冷静な議論ができる環境をつくり、それを保っていく努力を払いたいものです。こういう騒動がなぜ引き起こされて、なぜ支持・不支持の立場に関わらず意見を述べなければならないのか、みなさんにも考えていただければと考えています。

続きます

目次
(今)#studygift 騒動1/2:1人の人間に責任を押しつける姿勢が、業界全体の信頼を失わせる
(続)#studygift 騒動2/2:批判の封殺が業界の健全性を殺すとき

 


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