アイドルマスターの現場から

[アイマス9th名古屋公演レポート]強い個による協奏力―アイマス9年目のチャレンジ #imas_9th

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2014年8月16日。東京でコミケが開催中であるにも関わらず、約1万人のプロデューサー達が名古屋の日本ガイシホールに詰めかけた。開幕と同時にステージ両サイドからガールズ達は東西二手に分かれてトロッコに乗り込む。中村繪里子さん曰く、自称「名古屋場所」こと、「THE IDOLM@STER 9th ANNIVERSARY WE ARE M@STERPIECE!! 名古屋公演 第1日目」は始まりを告げた。

○滝田樹里の進化「5人+1人」から「6人の中の3番手」へ
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今回のツアーの開催形式は、出演者がそれぞれ3曲+MCのソロパートを担当しながら、ステージを創るというもの。

これまで滝田さんはどちらかというとサポート役としての印象が強かった。演じているキャラクターがアイドルか事務員かという立場の違いによるものだったことも大きい。

6人の出演者の中で、「5人+1人」という一歩引いた立場でパフォーマンスをするのか、演者として対等な6人なのかでは与える影響は大きく異なる。

今回のようなソロパートの積み重ねの開催形式であれば尚更だ。20分以上のまとまった時間を、他の出演者と同様にパフォーマンスを要求されるからだ。

育休から復帰してからの滝田さんは、積極的に前で起用される機会が増えてきた。7thの時はまだまだサポートやソロに徹していたが、2013の冬フェスでは、いないメンバーの穴を積極的に埋める立場として一線を踏み越えた感があった。今回は主役として、ソロパートを他の出演者と遜色のない立派なパフォーマンスを示した。

 

○今井麻美の本気―流れを変え、自ら場を作ることでプレゼンスを示す
今井さんの持ち歌だと、この開催形式は厳しいのではないかと感じていた。馴染みがあり流れを変えられそうな持ち歌がarcadiaくらいだが、それも導入は静かに入り、盛り上がってくる曲だ。

この疑問に対する答えとして、今井さんが選んだのは新曲だった。3人曲の「Fate of the World」を手なずけたのはさすがとしか言いようがなかった。千早単独の曲では無いにも係わらず、千早の持ち歌のように感じさせたのはさすがだった。

このソロコーナー形式。大阪公演・名古屋公演を見てきて、今回のスタイルで活きたのは、沼倉さんと今井さんだった。

構成として最初の曲のパフォーマンスが命であったと思う「Fate of the World」でプレゼンスを発揮して、会場の空気を確実に変えた。想定を上回るパフォーマンスを示したからこそ、後の「眠り姫」「Snow White」という計算できる2曲を座って聴かせることができた。
○名古屋名物「あんかけパスタ」カバーコーナー
不在の出演者の持ち歌をカバーする、カバー曲のコーナーは今回は「ミスマッチ」がテーマだったように思う。大阪はある種納得できる組み合わせの楽曲だった。しかし今回は積極的な化学反応を狙ったキャスティングだと言える。

例えば原さんの「next life」は、原さんのイメージと対極のある曲ではないかと見ていた。実際の原さんは、マイクをポールダンスの様に使う妖艶なダンス、後半ボーカルに力を入れると曲調は一変。

もちろん本来の持ち歌である沼倉さんの歌唱力でもボーカルに重点を置くことはできたはず。でも彼女の能力を遺憾なく発揮させる形が7thの沼倉さんのパフォーマンス。原さんの対照的なパフォーマンスによって、この曲がボーカルとダンスの高度なバランスによって成り立っていることを炙りだした。

2人の個性の違いが曲の魅力を掻きたてた「next life」のように、このミスマッチは名古屋公演ならではのもの。ご当地名物になぞらえて、「あんかけパスタ」的な相乗効果が観測された。

 

○協奏か競争か―緊張感あるチャレンジを
ソロコーナーで今井さんは観客を座らせる時、「自分は5人目だから…、ラストじゃないから…」と前置いた上でプロデューサー達に了承を求めた。

ソロパートの連続は単純に3曲×6人ではなく、演目として相互に作用しあう。今井さんの発言は、彼女たちのパフォーマンスが相互に影響し合うということを示唆していた。

「みんなと一緒」もあるけれど、「みんなのために(one for all)」でもある。みんなのために、個人が何ができるのか。今回のライブツアーを通じて、個々のパフォーマンスの底上げする。協奏しながら、競争もする。いい意味での緊張感を感じた。

それがたくさんの楽曲を紡いできたアイマスというコンテンツの底力だし、9年間のパフォーマンスの蓄積でもある。たとえ人数が半分しかいなくても4時間20分のライブを回せるというのは、アイマスというコンテンツにとって大きな底力となったはずだ。

1stライブを終えたシンデレラやミリオンに対して、先輩として何ができるのか。彼女たちなりの答えの出し方だと捉えた。今井さんの発言がそれを凝縮していた。
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アイドルマスターの地方公演ではこれまでも果敢な挑戦が行われてきた。出演者の人数が少なくなるのは今後の展開を考えると、仕方の無い部分もあるのだと思う。

少ない人数で存在感を増していくために、そしてあらたな後輩達の前を歩み続けるために、個々の能力のストレッチが求められる段階にまで達した。

遠征では東京の大きいハコでは見られない荒削りな面を見ることができる。だからこそ遠征は楽しい。アイマスももう9年目、もうベテランの域に達した出演者達が、まだまだ前線で果敢に挑戦し続けることに対して、ここでしか見られないという想いで、私は取材し続けるのだろう。大阪で、名古屋で、彼女たちは何を見つけたのか。答えは10/3-4の東京公演で明らかになる。

追記
今回もturnKさんのオフ会に潜入。プロジェクターあり、劇場版の等身大パネルあり、今回も盛りだくさんでした。大規模オフ本当に大変だと思いますが、いい出会いもありました。今回も開催お疲れ様でした。

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