小伝馬町の社長のつぶやき

食えないフリーランス時代を通じて、悟った2つのこと

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

会社を辞めてフリーランスになった頃、自分の強みが分からずに迷走した。

フリーランスになったばかりのころ、勝手が分からずいろいろな人に会った。建築の業界では、会社を辞めて独立すると、BtoCがメインになってしまう。大きなビルや六本木ヒルズのような複合開発施設などのBtoBのプロジェクトを経験していても、独立するとクライアントがデベロッパーや有名企業から、個人向けの住宅を対象としたものとなる。活躍の場が大きく変わってしまうのだ。

組織に所属していた人間からすると、フリーランスになってから出会った人は、随分いい加減だと感じた。契約書をレビューすると契約条件が甘かったり、そもそも甲・乙の定義もされていないような、作文レベルの契約書だったりした。仕事の話を持ちかけてプロジェクトに巻き込んでも十分な支払いをしなかったり、そもそもそれは見込客以下の案件で必要以上のリソースをかけていたり、経営以前のレベルで仕事が回っていた。

ビジネスモデル無き起業。独立すればなんとかなるという士業ゆえの甘やかされた世界観が彩られていた。自分も安易に仕事を辞めてしまったことを猛省した。フラフラしているといろんな話しを持ちかけられたが、結局同業者からの誘いはほとんど断った。この報酬体系でよくやっているなと疑問も感じていたが、後々話を聞くと立ち消えになったプロジェクトは多かったようだ。虚勢を張るにも限界があるように感じた。

あの頃の自分を守ったのは危険から逃げる強固な意志だった。危ない話には決してのらず、収入がないことを恐れなかった。結果として初年度の年収は36万。月収ではない、年収。これが無策でフリーになった僕につけられた値段だ。

フリーランスを経験して、分かったことが2つある。

1つめは付き合う同業者を慎重に選ぶこと。
安易にコミットしてしまうと仕事の話が来てしまう。クライアントなら歓迎だが、同業者が持ってくる話は予算取りが甘かったりするので、あんまりメリットがない。なんらかの仕事を通じて、仕事観が一致しないと難しい。同業者が集まっているような場所には、安易に近寄らないようにしている。

2つめは専門に対する強いこだわりを捨てること。
フリーランスになってまで、組織と同じ事をする価値はなかった。効率よく専門性を活かして働くなら、組織にいる以上のものはない。今の組織がイヤなら、ハマる組織は絶対にある。すぐに職務経歴書を書いて転職した方がいい。

僕は最終的にそこにこだわりがなかったので、「建築もわかる人」というポジションに落ち着いた。専門のこともやるが、そうでないこともやる。顧客のニーズは無限にあるので、自分の業務範囲を組織にいた時のように線を引いてしまうと、膨大な機会損失が生じてしまう。専門性を捨てることで、かつての同業者とも競合にならない。今は、業界を知っている強みと人脈を活かして、新たなビジネスをはじめることにした。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

SNSでもご購読できます。